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京町家あれこれ

京町家についての豆知識をはじめ、京都のこと、ひより近隣の名所などをご紹介していきます

《COLUMN1》京町家の定義と特徴

京町家とは?

「京町家」とは京都の伝統的な都市住宅の一つで、一般に通りに面し、隣家と接して立ち並ぶ家屋を差します。
京都市の定義として「1950年(昭和25年)以前に伝統的木造軸組工法で建てられた木造家屋」とされていますが、その定義もさまざまで統一はされていません。

江戸時代末期・1864年の禁門の変ののちに発生した、通称「どんどん焼け」を呼ばれる大火災で京都の町の大半が焼失したため、現存する京町家の多くは明治時代以降に建てられたものとされています。

京町家の特徴

京町家の外観の特徴として、屋根の棟を通りに平行に構える「平入り」形式で、間口が狭く奥行きが長いため「ウナギの寝床」「短冊形」と呼ばれています。
一般的には紅殻格子(べんがらこうし)と呼ばれる色の濃い格子、虫籠(むしこ)窓、犬矢来などが特徴的で、2階建てのほか、平屋や3階建てもあります。
内部の間取りは、通り庭、ミセの間、座敷、坪庭などで構成されています。

立ち並ぶ京町家

京町家を後世へ残すことへの問題点

2010年8月の京都市の調査では、市内全域で47735軒の京町家が残存しているとされていますが、その数は年々減少傾向にあります。
屋内の保温性に乏しく、防火性や耐震性に劣るため建築基準法の基準を満たしづらいうえに、同様式での建て替えが困難であることや、
相続者不足による所有者の高齢化などが主な原因であり、空き家のまま残る京町家も多く見られるのが現状です。